こんにちは!王子本町歯科クリニック、受付・歯科助手・トリートメントコーディネーターの有園です。
前回のコラム【親知らずのトラブル】に続きまして、今回は【有園の親知らずの抜歯体験談!】です。あんなつらい思いを皆さんにはしてほしくないという気持ちで綴ります。どうぞ私を反面教師にしてください…
あれは2019年、32歳になった私は、右下の親知らずが歯ぐきを割いて生えてこようとしてきました。その時の歯ぐきが『弁』のような形になり、とても腫れて痛かったのを覚えています。
など…結構大変でした!
当時も王子本町歯科クリニックに勤務していた私。だましだましで過ごしていましたが、ある日痛みの頂点をむかえ、受付でうずくまるほどに…。院長のすすめで大学病院の口腔外科を受診し、CT撮影や採血を行いました。炎症がひどく『蜂窩織炎(ほうかしきえん)』という診断がくだりました。
「早く抜歯できないの?」と夫に言われましたが、炎症が強いうちは処置ができません。炎症の範囲を広げてしまう可能性があるからです。そのため、まずは炎症を落ち着かせる処置が必要なのです。それから毎日、炎症を落ち着かせるため抗生剤の点滴を受けに大学病院へ通うことに。
仕事の合間に通院する…これもまた大変でした。30分くらい点滴を受けて、腫れた歯ぐきの周辺を洗浄してもらい、抗菌薬を注入。飲み薬もたくさん処方されました。10日ほど毎日通い、炎症が和らいできたのでようやく抜歯の予約をとれることになりました。
まず診療室に案内されると『ジュラシックパーク』の音楽が流れていました。(いいセンスですね!たまらんです…!)
私の親知らずはまっすぐ生えており、口腔外科の先生も簡単に抜けると予想していました。しっかり麻酔を効かせ(麻酔は王子本町歯科クリニックの方が痛くないです)、痛覚が無くなったことを確認していざ抜歯へ!
今まで親知らずの抜歯をアシストしてきたからこそ分かる、口腔外科の先生から伝わる焦り。助手さんからの「がんばって!」と何度も続く声援。押されたり、引っ張られたり、なかなかの力をかけられます。もうジュラシックパークの音楽は聞こえません。永遠にも感じるこの抜歯の時間
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「取れたよー!」という先生の声。ハッと我に返り時計を確認すると、処置時間5分!体感では30分くらい奮闘したと思っていたのですが、あっという間でした!お見事です!口腔外科の先生としてはもっと早く抜歯できると思っていたのでしょう…予想外に時間がかかったようです。それもそのはず、私の歯はまっすぐ生えてはいる(角度はまっすぐ)ものの、先っちょが曲がっていたのです!!
まさに曲者(くせもの)ですね。あとは抜歯した歯ぐきの穴を縫い合わせておしまいです。1針縫うだけですみました。
抜歯した後の痛みや腫れに関して、患者さんからよく質問をいただきます。私の場合ですが、痛みのピークは2日ほどでした。痛み止めを飲めば落ち着くので、辛くなる前に飲んでおくといいですよ♪
私は腫れも出ました。顔半分の輪郭が違いました笑 これも数日で落ち着きますが、抜歯は、直後に大切な用事がない日を選んでくださいね。
※再現です。抜歯後、これくらい顔が腫れました
抜歯から1週間くらいで抜糸をします。余談ですが『抜歯』『抜糸』どちらも同じ発音でややこしいので、歯科では『抜糸=ばついと』と呼んでいます。抜糸は王子本町歯科クリニックで院長に処置をしてもらいました。他院や口腔外科で抜歯された患者さんも、抜糸は当院にて行えます。
歯ぐきの痛みを我慢していてもどんどんひどくなり、結果、抜歯ができるようになるまで、かなりの日数を要しました。歯ぐきからちょっと出ている親知らずは、歯磨きもしにくく不衛生になりがちです。ひどい炎症が起きる前に抜歯を考えるのも大事なことだと学びました。
あなたの親知らずはどんな状態ですか?
もし、写真のように少しだけ出ていたら要注意です!虫歯予防でしっかり磨こうと歯ブラシを強く当てると、歯ぐきを傷つけてしまいます。
お手入れが難しいところのクリーニングは歯科医院の出番!歯をきれいにするのはもちろん、悪い状態に近づいていないか検査したり、正しい歯みがき方法の手ほどきを歯科衛生士から受けることもできます…!
「自分の親知らずがどうなっているかちょっと気になってきた…」という方は、ぜひ一度検診にお越しください。目視やレントゲンで分かることがたくさんあります。あなたが、私のように痛い目に遭わずに済んでくだされば幸いです。
以上、私の壮絶なる抜歯体験談でした!最後までお読みいただきありがとうございます☆